久しぶりの湖

mklasohi2015-10-06

連休は6日目、今日が何曜日か忘れてしまう。
今年の連休のハイライトは、ともう連休のおまとめ(笑)。
それは多分、陽澄湖に上海蟹を食べに行ったことだろう。その日はお天気に恵まれ、朝の7時半に上海駅について、ネットで予約してもらっていたチケットを受け取るため「人工」発売所と書いた方へ並ぶ。中国人ならば、自動受け取りにならんでけっこうサクサク受け取っていくが、外国人は窓口に並んでパスポートを見せないとだめで、けっこうめんどうくさい。ここからして日本の新幹線旅行に比べて疲労感がある。横入りする人、窓口で大声で喧嘩する人の声にもう耐えなくてはならない。
陽澄湖へは新幹線に乗っているだけなら30分。近い、と思いきやそれからが遠かった。駅をでると新しい新幹線駅はまるで千葉などの新興住宅地にできた駅みたいで何もない。店もないし、ただ白タクの人が集まってきて乗らないか乗らないかといってくる。そういう人を振り切って、バスターミナルのようながらんとしたバス駐車場 へ行くと、運転手さんが遠い交差点を指して、道を渡ってあちらの停車場 のバスに乗りな、と。
誘ってくれた中国人の連れは、こんなはずではなかった、駅をでるとすぐ湖だとおもっていたとおっしゃる。いつもこうだ。お誘いを受けたからと受け身の態度で調べないで行くとよくこんなことが起きる(笑)。行けばなんとかなると思う人はおそらく日本人より多い。その証拠に同じように降りるとすぐが湖だと思っていた人がわたしたち以外にも2組いて、上海で働いているという若い女の人2人もキョロキョロしながら、一緒に行ってくださいとかいってくる。

そこで、まず運転手さんが教えてくれた停留所まで行った。そこで表示板を見たけれども、それらしい地名がない。しょうがないなぁとスマホで日本人の人の旅日記を見ると118番に乗って蟹市場に行ったとある。また駅のがらんとしたターミナルの方へてくてく歩いて戻り、118番を探すと、なんと9時台に一本、次は16時台しかない。なんと。
到着してすぐであればそれに乗れたようだが、もう小一時間乗り場を探し回っているととっくに出発している。上海の勤め人の女性の一人は、もうこんなのなら帰ると言いだしている。新幹線で30分。そのあとが長い。そうしていると、バスの運転手さんが128番に乗って陽澄村で降りて30分ぐらい歩けば湖に着くと教えてくれた。…前日、寝不足かつ6時起きの私は一瞬くらっとなった。降りてからまた30分も歩くの……

しかしそれしか方法がないようだから、また新しく新幹線で到着した人たちと一緒にバスに乗り込んだ。そこからは3停留所ぐらい。

陽澄村。降りるとすぐ何本もパラソルが立っていて、その下で蟹を売っている。うーむ、新鮮かな、ここからどうするのだろうと思いながら、見ていると、若い男性2人が大きい方の蟹を見ている。上海の勤め人女性二人組はそこから蓮なんとか島まで行くというので手を振って別れた。
蟹売りのおばさんが、蟹を選んでうちの店で食べるといいという。蟹を茹でてくれて、他の料理も出すという。ちょっと待ってて、車を呼ぶからと。
どうなんだろう。詐欺じゃないよね、連れて行かれたら何倍もお金を取られるのではと若い男性たちも用心深い。
私の連れは、じゃ、蟹の代金は食べた後に払う、これでいいかと聞く。おばさんはOKというので、蟹を選んだ。中には白っぽい大きな蟹がいて、おばさんがこれは4年ぐらいの蟹大王だといった。


結局のそのイケメン男性2人と一緒にそのお店で食べるとことになった。旅は道連れ世は情け。中華料理は人数が多いほど品数も多くとれるのでそういう成り行きもあることだ。お互い選んだ蟹の袋を提げて、お迎えの乗用車に乗り込む。そこから10分もしかなっただろう。「漁火灯家」という一大蟹料理家の並ぶ広々としたパーキングエリアのような場所に来た。一軒一軒ネオン看板に蟹の絵などがついているから夜、通りかかったらそれなりにきれいだろう。

店は海の旅館みたいな簡単な作りで、きっとどこの店も似たり寄ったり。それでも、大金を吹きかけられないかとちょっとドキドキしたが、蟹自体は上海で食べるとのと大違いでさすが産地だけあって、オスメスで50元ぐらい、大きいのだと70元とか80元それに加工賃10元が一匹つずつく。


男性二人組は、なんでもいいので選んでくださいという。メニューを見たら価格が書いてないので一瞬やっぱりと思ったが、値段を聞くと、法外な価格は要求されず、蟹の安さに比例していた。

今の時代みんなスマホを見ながら待ちながら、ぽつぽつと話しをしながら蟹が茹でられて出てくるのを待った。彼らは鄭州から来ていて昨日は蘇州に泊まり、今日はこの辺りに一泊するという。

先に注文しておいた、野菜料理が出て、魚料理が出てそれからいよいよ蟹さんのお出ましになった。

ああ、あの元気な蟹さんたちがと思うと、ちょっと可哀想。私たちは命をいただいているのだ。と思いながら、卵の詰まったメスの蟹などを美味しく完食。

上海蟹は値段からいうと高級料理で格の高い専門店も上海にはある。が、実際は淡水の蟹だし、子どもの頃に食べた川蟹によく似ている。故郷九州では、よく自転車で売りに来る人があり、それを茹でてもらって食べた。小さい私は蟹のからが割れないので、私専用の小さい金槌が食器棚の一番下の引き出しに入っていた。そんな話をしたら、若い男性の一人が、

紅楼夢の原文に蟹を食べる槌のことが出てきますよ。テレビ版にはでてきませんが」と教えてくれた。

見るからにシティボーイ。おしゃれなTシャツに上着を羽織って、携帯は私と違いiPhone6s。お金持ちのおぼっちゃま風だが、名門大学を出て通訳と大学で英語の先生をしている人なのだそうだ。

ふと、時代が違えば、読書人の貴公子と湖のそばで蟹を食べながら紅楼夢の話をしている物語。
白蛇伝」の許仙と白蛇の出会いを思い出す(笑)

お金を払って、湖までいき、そこから散策はもう別行動になった。

武漢ではよく東湖まで行ったなぁ。大きな湖のを見るのは久しぶりだった。
湖のそばで少しお昼寝をしたら元気回復。帰り道は保安係のおじさんに教えてもらいバス停まで歩いた。すぐ近くだよ、とおじさんのいうバス停には多分歩いて30分ぐらいはかかった。バスはなかなか来ず、ちょうどやってきた幌付きオートバイの簡易タクシーに?乗ると、駅までの道の半分ぐらいもう歩いていたことがわかった。

蟹食べ行こう🎵がその日のテーマソング。

秋の1日、蒲の穂が揺れ、赤い実がなり、夕焼け雲はまるで茹で蟹のようだった。

行き当たりばったりの旅も悪くないものです。