美麗上海的体験

日本は桜便りもちらほらのようですが、こちらは雨が多いので、先日来よりはずっと暖かくなったとはいえ、今一つぱっとしません。
去年の今頃の日記を見てみると、教室は暖房がなくても気合いが入っているから大丈夫とか書いてあって、今年は昨年より気合の入れ方にも違いがあったようです。

10日ほど前だったか、ミンハンキャンパスの日本語学科の研究室で仕事をしていたらあまりに冷え冷えで肩もカチカチになったので、副学科長に勧められた「スーパー銭湯」のようなところへ行ってみました。
キャンパスからタクシーで20分ぐらい。教わらないと絶対にいくことがない郊外。上海の租界地から遠く離れ、武漢の新興住宅地にも似た風情で、とろこどころに豪華な一戸建群がたっている。こんな家に住むお金持ちがいるんだなぁと感心。

浴場は郊外型ショッピングセンター好愛広場の一角にあって、シャンゼリゼ?と思うような洋風のごっつい施設で、日本語学科の中国人の先生がわざわざ下見をしてくださってなかったらとてもとても一人でドアをくぐる勇気はでない。武漢にもこうした洋風のゴージャスな感じのレストランなどもあったが、張り子のトラみたいで、却って安っぽい気がする。

中に入ると3−4星クラスのホテルのフロントのようなフロントがあって、大きな水槽に手のひらぐらいののオレンジ色の金魚がたくさんと泳いでいる。
フロントで、あちらに履物を預けてサンダルに履き替えて、などと言われ、腕にロッカーのリストバンドをもらって女性更衣室へ。軽くどきどき。

威圧的なほどの外観に比べると、中は至って清潔で人も少なく快適だった。この冬、東京で友人と温泉気分を味わえる施設に行き、のんびり半日過ごしたことがあったけれど、それに比べるとお風呂の種類は少なく一つだけ、あとドライサウナとミスとサウナがあるのみで、お風呂はちょっとぬるめだったので、ミストサウナはまるで貸し切りでドライのと合わせて5−6回入って芯まで温まりました。
あとはオプションで牛乳風呂とかあかすりとかあるようでした。
昨年は日本の経営の「極楽温泉」の小ツアーにも参加しましたが、浦東でちょっと行きにくいです。でも調べてみるとやはり自宅近くなど土地代が高いところにはこうしたお店はないようです。

そういえば、親の面倒をみることをめぐって兄弟姉妹が集まるストーリーの映画「美麗上海」にも男兄弟でこのような施設でお湯につかるシーンがありました。フランス租界の洋館に住む母親が倒れて子供達が集まって相談をするというような設定でしたが、このような映画から見ても、本来は男同士の接待などに使われて来たのだと思います。

もう一本、北京のお風呂屋さんを舞台にした名優朱旭の「洗澡」という映画もありました。やはり老いた父親を思いやるストーリー。
上海や武漢など南方の家庭ではシャワーが主流で私の家もシャワーのみです。南北のお風呂文化の違い。北はやはりお風呂に浸かって体を温める習慣があるようです。
こんど北京のお風呂屋文化も体験してみたい。