孟母のお見送り

先日のこと、若い大家さんが家賃を取りに来た。
大体3-4か月分を一度に払うことになっていて、円安の昨今、日本から持ち出さず、稼いだお金だけで払うと貧乏になった感じになる。というのも、ここは大学から出る家賃補助を上回っているから。それでも、旧フランス租界の端っこ2つの公園の緑に挟まれメインキャンパスも近いのがなにより。門番さんのように、派出所の裏にあって、何かあったら呼べばすぐ駆けつけてくれる近さだ。
大家さんは若い夫婦で、普段浦東に住んでいて、そういうときは3歳の坊やもつれてくる。
夫婦とも頭のいい人たちで、しかもいつも物のわかった対応をしてくれる。エリートサラリーマン夫婦が投資としてこの「代官山のアパート一室」を買ったのだと思っていた。
学生たちや、中国の友人が海外等の旅行の写真を微信(中国LINE)にアップしているのを見たので、どこか行ったかと聞くと、この部屋の代金を払うために、遠くへの旅行は我慢なのだそうだ。あら、これは投資でしょう、と聞くと、「それもありますが、公園の向こうの小学校が上海4大名門小学校なので、この子の進学のために、住民票を移すためもあります」という答えが返ってきた。
きゃ〜びっくり。ここに住むつもりはなさそうだから、学齢期になったら、浦東から、毎朝通いで送ってくるのだそうだ。

孟母三遷ではなくて、毎朝ラッシュを40-50分かけて送ってくるって。

今日はニュースで、中国のネットショップアリババがニューヨーク証券取引所に上場したというニュースが何度も流れています。

なんでも競争。人の上を行かなくてはならないのだから、孟母たちの数も日本の十倍以上だろう。