Eco Houseの入り口

おとといの夜、YJ君の彼女Zさんがこの大学の建築学科の若き建築家、穆威先生を取材で訪ねるから一緒に行きましょうというので、お伴した。建築学科の敷地内に彼の建てた家があるという。

授業もおわって一息ついた夜7時、建築学科の先生たちの作品などを眺めながら2人で建築学部のホールに待った。
穆威、先進建築実験室の主宰者で何と2006年にこの大学を卒業、スペインとノルウェーで学び、2010年には28歳で上海万博のノルウェー館を設計している。80年代生まれの有望視されている建築家だ。なんというのでしょう。精悍なマスクやがっしりとした長身、まるで野生の馬に乗った優秀インディアンを見るような気分、なんといってもかっこいい。河北省回族出身なのだそうだ。ホレボレ…あ、そういう問題じゃないですね(笑)

つい先日「中国は若い人が海外で一定の業績を積むと高いポストが用意される」と書いたばかりだけれど、勿論誰でもいいわけではない。けれどわずか30歳の彼のこの6年の深さ、重さはなんだろう。一人の卒業生を、学生たち憧れの優秀な先生へと変えた。

彼の公益建築計画の一つに「屋頂小学校」がある。武漢民工子弟の学校で、運動場もなく、200人ほどの生徒が整列するには建物の屋上に上がるしかないので「屋頂小学校」の名前がある。この写真をご覧になればすぐどのような状況かはお分かりになるでしょう。
この学校に屋根をプレゼントしようと設計をしたり、武漢の芸術エリア「曇華林」の住居の補修などにも力を貸している。

竹材を使ったこのいわばプレハブ家屋は日本円にして150万円しかかからないのだそうだ。ただ、中国では土地所有が許されていないから、今のところ、「四不象」のいる湿原のエコツーリズム地帯に建てる計画があるそうだが、おいそれとどこにでも増えて行かない理由もある。
私の目から見ると、ガラス窓が大きくて、明るいのはいいけれど、夏はやや篤いのでは、と思った。

それでも、中国のEcoハウス、公益建築の旗手として、どんどん優れた作品を作っていかれるでしょう。
日本のEcoなお知り合いにも繋いでいけたらな、などとも想像しています。