「偽(wei)」

mklasohi2012-05-16

今学期もそろそろあと1カ月。そういう一カ月はあっという間に過ぎてしまうのが恒例です。やや焦り気味。

クラス活動の中からも時代の変化を感じるということを書いていますが、今年の2年生の「私の行きたいところ」のパワポの発表でもそれを感じました。

発表の完成度が高かったのも特徴で、フィンランドでは、フィヨルドなどの説明もさることながら、オーロラの舞を短いビデオクリップで紹介してくれ、みんなをうっとりさせました。タイが好きでタイ語を勉強に広貿大に行きたかったという学生は簡単なタイ語を紹介、フランスもオルセー美術館プロバンスでの結婚式の流行とか、日本人の旅とそう変わらぬ楽しみ方が始まっていることを感じます。

男子は、日本の東北地方の田んぼアートや、はたまたSF世界の500年後の様子へタイムトラベルを発表した学生もいました。他にも、メルボルンのチャイナタウンとか。世界にはいくつチャイナタウンがあるのでしょう?

これは、行きたい街を語ることで歴史や産業、観光、故事などを物語る、語彙や知識を増やすという活動なのですが、すっかり私自身がみんなの紹介してくれる小さな旅に魅了されて、わ〜行きたいなを繰り返すばかり(笑)。けれどこれこそが、今年の2年生の日本語での発表レベルを物語っているでしょう。

特に印象に残った場所は、内モンゴルのロシアと接する町、アルグン。100元程度でロシア人民宿に泊まれるそうで、家は木刻楞(ムークーロン)と呼ばれる丸木小屋。チーズとたまごとジャムの朝ごはん写真がおいしそう。ここにリンクしたニュースでは、この地方のロシア族の人たちが東北なまりの中国語と生粋のロシア語を話すと紹介されています。行くには、車をチャーターしていかなくてはならないようですが、中国でもおそらく、アメリカのような個人での車旅行が増えてきて、キャンピングカーが売れるかもしれませんね。

キャンピングカーといえば、新聞記者のYJ君と話していて、日本の携帯や家電など高い技術がありながら方式があわずに中国に参入がうまく行ってないものもあるということ。すこし日本の産業のゆくえが気になっています…。

話しを戻すと、彼らにも「古いものが残っていて襄陽はよかった。様々な地方で最近の修復方法はどうも古いものの味を壊している」と話すと、ある学生が、「偽(wei)」と中国語で言いました。つまり古いものを壊して、擬古のものを作るのが「偽(wei)」=偽物っぽい修復をしているという意味です。
学生の中にもそう感じている人がいると知って嬉しくなりました。無錫出身の学生は半年ぶりに故郷にもどり、あまりの変わり様にびっくりしたそうです。
世界にほこる様々な観光資源を守るためにも、「偽(wei)」でない保存をと、願います…。



晴れの日の蓮池はモネの絵にもにて。
今年はアメンボがたくさんいますよ。