温感

mklasohi2012-03-29

なんと名づけるべきかわからないけど、メールでもチャットでも、ことばからでもない、まして顔が見えないのだから、非言語でもない。行間とか、霊感とかそういう感じで、相手のことがよくわかったりする。
不思議ではないですか。ことばのまわりにひらひらとついている行間とか、ふわふわした空気なのかもしれない。PCの向こう側に居る人が、あるいはそのときの気分がかなり正確?にわかる。

数日前久しぶりに、昨年出会ったピエロさんとチャットした。80年代後半の中国の国語教科書についていろんな人に話を聞いていたからなのだが、

すこしひんやりとするような優しさ。
心が冷たいからでも私に対する態度がつめたいのでもなく、手が冷たかったり、あの化粧を落とすときの静かさとか、そういう感じまで思い出されてくる。

「僕たちの読んでいた教科書はね、まっていてくださいね、今探しますからね」と。画像を探して見せてくれた。

そうしたやり取りの後、今度は向こうから、「ちょっと聞いてもいいですか」と。はい、もちろんです。

「日本では中国のことはどんなふうに報道されているんですか?」
むぅ、そうですね…。毎日のように報道されていますよ。ふつうには旅とか、食文化とか、歴史とか、三国志なんて好きな中高年の人いっぱいいますからね。ただ、日中間に何か起こった時は、やっぱりそれぞれが自分たちの観点から話をしたり主張したりしますから、なんだか語調がきついというか。

「なんか、日本の人たちの方が中国の歴史とか詳しかったりするみたいで、ちょっと恥ずかしいです。それに、自分の仲のよい友達が日本に行って3年なんですけど、昔はすっごくやんちゃなやつだったのに、帰ってきたとき会ったら礼儀ただしくなっちゃって。
そいつが言ってました。日本はどこをみても清潔だって」…

このところ、ピエロさんは研修中なのだそうだ。チャットなのに、あの静かで透明な感じがすごく伝わってくる。優しく風船や花を渡してくれるそんな感じも。

ネットでのコミュニケーションは誤解を呼びやすいとも言われてきたけれど、すこし使い慣れてくると相手の温感も冷感も、PCの向こうの息遣いとか、いろいろなものが不思議と透けて感じてくると思う。