君を送ること千里

昨日はおともだちに誘ってもらい映画を見に行きました。

一つは「ジャライノール」という内モンゴル蒸気機関車が走る炭鉱町を舞台にした友情物語、もう一つは「小蛾の行方」という中国の人身売買と臓器売買を描いたこわーい映画。どちらもドキュメンタリータッチで若い中国の監督たちの撮ったもの。中国国内ではなかなか見ることができません。
よく調べると、ネットに上がっていたり、後者は原作本まで読め、原題「血蝉」に興味を惹かれ、つい原作もざっと読んでしまいましたが、農村で買ってきた子供に乞食をさせるというのは耳にもし、武漢でもそれかと思う子供を目にしますので物語とだけ思えないところが中国の怖い現実です。

前者は中国のことわざ「君を送ること千里ついにまさに一別すべし」を描きたかったのだそうです。どこまでも見送っても別れの時はやってくるという意味。監督趙瞱(目編に華)チャオ・イエ監督のインタビューは日本語でも読めます。こちら

わたしは東京に戻ると中国でなかなか見ることのできない世界のドキュメンタリーや単館系の映画を見ることを楽しみの一つにしていますが、その単館系映画館が続々閉鎖に追い込まれているそうで、好きな美術館の一つ恵比寿の写真博物館の映画館も閉鎖されたということで残念です。若い才能と表現の自由を守るためにもこういう映画館は大事ですね。