そういう冬
ひだまりさえあれば学生たちは分厚い服を着て、外で本を読んでいます。
野良犬かあさんにも昨日はすれ違いました。子どもたちをおいて、お買いものですか、と声をかけたくなるような犬のお母さん。
郵便局では、はがき売りの担当の人が来てないから、はがきがほしいなら来週来てよと言われました。え?
人の仕事を奪ってはいけないから、余計なことはしない国。
「窓のお店」のご主人がオートバイの後ろに段ボールを積んでお出かけのところも見かけました。店の中では奥さんが、掃除。若い一家の暮らしの健康。乳母車が洗濯物の下で、日射しを浴びていました。
郵便局も学生も店の人も、変わらずみんなで迎えた冬。
あの人とか、この人とか、遠いこととか、近いこととか、
推測の鈴を鳴らしてみる。
鳴り響いてから、
もしかしたらそうかもしれないな、と思いながら、黙って歩く、
そういう冬。
夕方は卒業生が彼女と一緒に遊びに来ると電話、一緒にご飯でも食べに行きます。