秋老虎

いろいろとやることもあって、更新がすこし滞りましたが…。秋老虎(秋の虎)と呼ばれる残暑が居座って暑い。20日ごろまで34-35度の暑さが続くそうです。


昨夜は女子学生Xさん、Fさんと夕食をともにした。Xさんは今年の卒業生だが、大学院の再受験で孤独と受験のストレスが続いているというので、小さい励ましの会。
彼女のめざすは村上春樹30数作品の翻訳者林少華先生のいらっしゃる青島の大学。美しい海辺の町・青島で林先生に一度ちらとお会いしたことがあります。

それで、話は林先生が初めて村上春樹にあったときのことに。私は林先生のブログで読んで感銘を受けていた。

―中国のように大宴会があったわけでもない、事務所での一杯のお茶。テーブルの向こうに村上春樹。たったそれだけのことなのに、目の前に、まるで小説のなかの「僕」のような村上君が座っているだけで、うれしかったと、
そんな内容だった。

それは、おそらく林先生が中国に村上を紹介した人として、日々の翻訳と格闘されるなかで、作者に対して持ってきた理解。「その人らしさ」への理解だろう。そんなことを話すと、Fさんが中国語で「トウスウ―脱俗」と言った。
俗であることから脱していること。わたしも中国では、お金のかかった宴会などを経験するが、「脱俗―トウスウ」、いいことばだなぁ、と思った。

秋の虎に絡まれて、夜の並木道も暑かった。が、2人と話をして気持ちは爽やかでした。