10人と猫一匹&ツインズ

mklasohi2009-12-12

今日は冷たい雨の一日だった。
学生に誘われて、郊外(江夏区)にある老人ホームに行ってきた。話し相手のボランティアだが、さすがにお年寄りの方言はわかりにくくて、武漢語のできる若い子が普通語にに直してくれての交流。普通の中国語がまるで日本語のように聞こえた。
時間にして1時間ちょっとだったので、85歳のお婆さん達と話しそのあと5分ほどおじいさんと話しただけだったが、一緒にいったメンバー全員が雨の日の休日に老人ホームを訪問するなんて人ばかりだから居心地がよかった。

中国人の話し方に興味をもっているので、そんなことも注目しながらお婆さん達の話に耳を傾けた。おさなくしてお妾さんにもなった苦渋の人生をずっと聞いた。寒そうだし涙を拭われるから、首に巻いていたマフラーと、携帯していた柔らかいハンカチをあげた。広西出身の女子学生は自分の手袋をはめてあげた。お婆さんはこんなにいいものをもらっていいのか、家には他にあるのかとなんども言っていた。
私は折角日本から来た人なのだから「さくら」を歌ってみました。そして皆で「東方紅」も歌ったが、毛沢東はこの年代の老人のアイドルのようです。なるほどね。
お湯は飲むかとか、ご飯は食べたかときくお婆さんの持ち物は多くない。お婆さんの気持ちの上のお客さんになった。お昼の時間になり、おじいさんとの交流は5分ほどだったが「こんなに若くて大学の先生とは、すごいねぇ」と言ってくれ、へへへ、おじいさん老眼〜。謝謝。

また楽しかったのが一緒にいった人たち。バンを運転するのは「黒猫」。私の隣に座ったのが「愛麗生(アイリーセン)」…武漢のボランティアネットの呼び掛けてあつまった若者たちだからみんなニックネームで呼ぶ。私を入れて11人。

運転・まとめ役は猫哥(黒猫兄貴)31歳。何をしている人かと聞いたら、「車の運転手」と笑ったが、黒猫って名前は縁起が悪いでしょうと聞くとギリシャ神話によいイメージでてくると答えるあたり、どうみてもホワイトカラー。私は黒猫でも白ネコでもネズミを捕るネコは好い猫という勝g小平の言葉を返した。実は5つ星ホテルに勤めている人だそうで、菜食主義、明るくて、本当に行き届いた人だった。

お昼ごはんを頼んで人数を確認するとき誰かが「10人〜と猫一匹」と笑って言った。黒猫兄貴のこと。それが今日のタイトルの由来。
ツインズ?
朝、車に乗り込むや、色が白くて黒目がち、ポニーテールの若い女性がにっこり挨拶してくれた。とても感じのいい人。黒いコートを着ている。そしてそのとなりに赤いコートの女性。彼女もポニーテール。よく見ると2人はそっくり。色白、黒目がち、ポニーテール。2人は吉林省延辺出身の双子姉妹で、大学を出て中南路にある保険会社に勤めているのだそうだ。シャンシャンとリンリン。学生にしかみえない。
そして2人はどことなく動きも同じ。自分たちでも「ええ、ふたり霊感で通じあうことがありますよ。突然同じ歌を歌いだしたり、同じことを思ったりするもの」と言っていた。

帰り道に黒猫兄貴が彼女たちをアパートの前へ送り下ろしてUターンしたが、Uターンしている間中、2人して雨の中を傘をささずに立って待っていた。まったく、いい人が細胞分裂して2人になったような人たちだなと思った。
               
写真は老人ホームの蓮池。みんないつかは老人になる。
枯蓮聴雨(クーリエン・ティンユィ)。枯れた蓮の葉が雨の音を聞く。