感動的なまでの…

日本からの荷物が武漢の税関に引っかかってしまった。ICレコーダ、何か怪しい輸入でもなんでもない。たぶん送り主がNHKの方だったからだろう。
ここから飛行場まで行くのは、タクシーを使えば往復300元、バスを乗り継げば往復4時間。日系企業のT氏や、博士の友人にも聞いたが、直接とりにいくしかなさそう。税関からの通知には、書類をいろいろ用意しろとなんだかややこしそうで頭がくらくらでほとんど涙。

1,2時間目の授業を終え、行くにしても2度足を踏みたくないので、確認してもらっておこうと卒業生で、航空会社で働く0君に「お願いごとがあるので、電話してもよい時間を教えてね」とメールした。いくら卒業生とはいえ、勤務時間には私事で邪魔をしたくない。
するとすぐ電話がかかってきた。先生どうしましたか。事情を話すと、飛行場の郵便預かりに電話をしてくれ、必要書類を指示、ファックスするよう言ってきた。急ぎ、ビジネスセンターへ行って、ファックスし、そして午後待つこと4時間。

「遅くなりすみませんでした。品物は無事手に入れました。」とO君。「とても熱心な先生が使うものだ」と説得して、例外措置で通関費用もタダにしてもらったのだそうだ!下手すれば禁忌品とかにされそうな勢いだったのに。
そしてもっと驚愕したのは、O君は現在空港勤務ではなく漢口の社屋にいながら、頼みを受けるや仕事を片付けて、課長に休みをもらって、空港まで行ってくれたというのだ。

mk「えー???」    o「学生ですから当たり前のことです」
mk「もう学生ではなくて立派な社会人ですよ…」   o「先生の前ではずっと学生です」
…どこの世の中にこんなことを言ってくれる人がいるだろうか。

「博学而篤志,切問而近思,仁在其中矣」こんなことを思うが、何より大切にすべきは目の前の学生たちなのだ。

またもや雨模様。墨絵のような雨が降ってきた。
大0君に直接返せることは少ないかもしれないが、彼の後輩たちにお返しをしたいと思う。

「同学們好(トンシュエメン ハオ)!みなさんこんにちは」



写真は大学内の古い食堂。新しい食堂がいくつもでき、これもそのうち取り壊されることだろう。