風の聞こえぬ土の中

mklasohi2008-12-10

南京大の社会言語学実験室でもらったlenovoのUSBを無くしてしまった。USBはこれでもう5つめ?取りに戻ったがあっという間に消えていた。
夏、南京でお世話になったX先生、L経理の顔が浮かぶ。授業中、流れに意識が集中していているから抜くのを忘れるのだ。おかげで学生の集中力は途切れずすむが。
教室掃除のおばさんにきいても、さぁ、見なかったねぇ。
かてて08年深緑色の手帳も見当たらない。思えば、何人かの人の名刺や住所録がはさんである。それから今年の様々なスケジュール、メモや、走り書き、ちょっとした思いとか、香港の地下鉄とか、デザート屋さんの名前や、漢口のこと、ツアーガイドさんから聞き齧ったベトナム語や、大連到着時刻、南京から上海までのD車特急の中で読んだ中国雑誌の中の広告の表現とか。出会った人の名前…。
部屋に戻ると誕生日にもらった黄色のバラの花束がない。実はドライフラワーにしようと台の上においたのを服務員さんが、枯れたと思ってすてた、と気の毒がる。
「大丈夫、物にはこだわらないので」と言った。

人生は様々なものを得、そして全てを失う過程。幸い、手帳の時間はあと20日分で使い切るし、多くの連絡先は修復可能だろう。
そして手帳の中、白い部分も含めて、今年大事なことは、ちゃんと心に書き留めてある。

今年の声は誰の手も届かぬ心の中に。