曇り空の森から

「言葉こそ固く鎖した、心の城府へ通う唯一の小径であった」(金田一京助)。

曇り空を嘘寒い風が吹く。森が黄色く色づいている。今週は、学生の作文が無かったので少し余裕ができ、そのできた時間ですこしだけやりたいことができた。
夜、留学生寮に住むベトナム人の同門、博士1年生のRさんのところで図書館の電子資料をダウンロードさせてもらった。以前はよくWYの知り合いの人にお願いしたが突然仕事が決まって上海に行ってしまい困っていた。
行くと小さい部屋の中で電器コンロを使って食事の用意をし、ベッドに座って食べていた。机の棚には故国においてきた小さい息子さんとご主人の写真。炊飯の湯気で部屋が温かい。
彼女はベトナムの最高学府の中国語の先生で国費留学、3年と時間を限って学位をとることに専念している。職業柄HSKより学位のほうが大事。時間が限られているから必要なもの以外一切読まないし、ひがな部屋か図書館に篭もっているそうだ。すごいなぁと思う。私は集中力が続かないし、そしておそらく私が知りたいことは本の中だけでは学べない。
昨日は立冬で中国人の友人などからメールや電話をもらった。一段と寒くなる時期だが栄養補給によく、豆乳や黒い食品、苦いものが体に良いということだ。
傍にいただけの時間を過ごす人、ものもいわずすれ違う人もいるが、人と人の関係はやはりことばによってより深くつながっていくものだ。
そんなわけで、みなさんお元気ですか。