初場所11日目

昨日大相撲1月場所11日目を見に行ってきた。大学時代の友人が升席を取ってくれたのだ。
何を隠そう学生時代は大相撲ファン、彼女と国技館スタンドのいっとう上の一番安い固い席で朝から「ながながと」観戦したものだ。よくもまぁあんなに長時間、髷も結えない中学生ぐらいの力士の勝負から見ていたものだ。好きな力士の入場の頃には入口に並んで待った。毎場所中、星取表を眺めて、優勝の行方に力を入れてどきどきしていた。
あれからどのくらい時間がたって、私はどのくらい相撲から目を離していたのだろう。学生時代には座ることもできなかった向こう正面が見える升席から見ると、土俵がすり鉢の底ではなく、真正面に映画のシーンのようにワイドに広がる。光も、ざわめきも、館内放送も何かのシーンみたいだ。
女子大生だった私は一番上の席から、「言わないと後悔するから」と応援力士の名前を叫んでいた、そんな自分たちの姿を思い出してスタンド席を見上げる。
私が相撲から目を離していたすきになんと外国人力士が増えたものか。しるしをつけてもらったら三分の一にものぼる。それを眼が受け付けられない。亜麻色の髪の大銀杏とか、髷の下の顔立ちとか、高すぎる背丈とか、目や心が「ちがう」と言っている。ちょっと目を離していたすきに日本の「国技」がこんなことになっていたのか・・・。
もはや外国人力士を抜きにして成立しない相撲を「国技」ではないと嘆いているようでは、相撲を楽しむことができないだろう。時代は移りゆく。次は「世界技」になった相撲の醍醐味を別の角度から見られるようになっているだろう。
 終わって、太鼓の音に送られ、予約してもらっていたちゃんこ鍋屋さんに行った。他の友人も合流。昔一緒にいて楽しかった仲間、今も一緒にいて楽しかった。