Dr.K

午後久しぶりに日本文化講座で、「私は日本の国際人」というテーマで講師の方にお話いただいた。この講師の方がまたまた大変ユニーク。現在、ここの同済大学医学部で医学を学ぶために中国語の研修をされているが、3歳から日本で育ち、アメリカのコロンビア大学で経済を勉強、そのあとオックスフォードで2つの経済学博士をとり、日本に戻って事業で成功、その後カナダでホメオパシーを学んだ後、正式に西洋医学を学ぶために中国に9月から来られた。アルメニア人を母に、ユダヤ人を父に持ち、見たところ日本人とは誰も思わない風貌のDr.Kだが、日本語はマザータングだ。
「医学と経済学は需要と供給バランスと言う意味で大変似ている。デカルト以前は博士とは文字通りすべての学問に通じていなくてはならなかった。知識は本来一つであり、今の僕には知識も方法論も揃っているから、医学を学ぶことにした、中国を選んだのは60歳近い身を欧米の大学は受け入れてくれなかったからだ」とご説明くださった。多文化の塊のような先生のスケールの大きな経歴をみんな羨ましげに聞き入っていた。
また文化衝突は1×1=1と考えるのではなく、1+1は2以上のものになる、川は合流する前、多くの支流からなり、合流するときに小さな渦ができるけれども、そのあとまた静かに流れていくのだ、と多文化をどう受け入れていくかをたとえ話で示してくださった。
短い時間のため、多くの経験をつまれた先生の人生のサワリしかお話いただけかったが、何らかの形でまた学生と交流していただければと思う。