「学食でご飯を食べる人」

2年前の夏、ハルピンのZBさんの家に約1ヵ月滞在した。そのZBさんも今は院生。彼女の金曜日の授業を受け持っている。彼氏が武漢に来たからと再会することになり、彼女が今住むマンションの前で待ち合わせた。
2人で反対側のバス停で待ってくれたが自転車で出かけたので、手を振って道路を渡ってきてもらった。
良家のご子息タイプのR君、前より貫禄とでもいうものかがついている。上海の名門大学を今年卒業、アメリカ留学に向け準備中だ。ハルピンで会ったときは大学2年生で、まだ10代のあどけなさが残る2人だったが、20歳を境に人は急に大人になっていくのだ…。
 いっしょに火鍋を食べて、マンションの部屋に案内してもらった。9階の一室、共用スペース、台所、シャワー室の他に4部屋あり、すべて学生または学生カップルで住んでいる。家主さんが内装をしないまま上海に行ったそうで、学生たちのこまごましたものがごちゃんと置いてあるだけで、あまりマンションらしくない。それでも私が行くからと2人で掃除したそうだ。
「家庭訪問ですから」というから、今日は友達、と言った。ZBさんは日本に留学し博士号をとって大学の先生になりたいそうだ。
「ずっと大学の食堂でご飯を食べる人になろうと思います!」相変わらずZBさんは面白い人だ。彼女のお父さんも元大学教授だから大学の中に住んで食堂のご飯を食べて育っている。「愛吃在大学食堂的人ね」と中国語で言った。
 R君の留学も3−4年、その後にアメリカでの経験も積みたいということだから、いつになったら2人が結婚できるのかな、と言うと、わたしたちは若いので急ぎません、ときっぱり言った。
5年後、10年後にも会ってみたい人たち。