背広姿の講師たち

mklasohi2007-06-07

今日の武漢は30度は越える暑さ。天下分け目の全国高考(大学受験)第一日目でもあり、街も交通が混雑し、落ち着かないヒートアップの空気の中で、今日の日本理解講座の講師のT.IさんT.Kさんは汗をぬぐいながらスーツ姿で現れた。ああ、やはり日本人、こんな暑い日でも、ご講演をお願いしたら乱れぬきちんとしたいでたちで来てくださるのだ。服装というのもノンバーバル(非言語)の一つだが、そのきちんとした姿からして学生たちが受け取るものはあるだろう。
京都大学博士課程T.K氏は「中国の経済発展と運輸」の問題を分かりやすく何枚もの写真を見せながらお話くださった。列車の輸送量の不足の問題や、中国各地のタクシーを例にそれぞれの地元政府が地域の産業保護のために地元製の車を多く採用しているという現象などを紹介いただき、学生たちにも故郷に戻ったときにどのメーカーのタクシーが走っているかぜひ報告してくださいと結ばれた。わたしも他の都市を旅行するが、そんな現象があるとは知りもしなかった。研究者の目線を教えてもらうことは世界の見方が増えてとても面白い。
 また、立命館大学文学博士T.I氏は「わたしと唐宋詞」と題して、唐宋詞を研究する現代的な意味や、唐宋詞の難しさと魅力、そして1930年代後半日中戦争の時代にも日中の学者間で学術上の交流が続いたために、後世の研究者が利用しないものはいない詞学の大全『全宋詞』が編纂されたこと、その孫弟子にあたるご自身が学問を通じて日中の架け橋となりたいと言ったお話をしてくださった。
 今日は副専攻の学生たちも数多く来て、熱心な質問も出た。中国に深くかかわる研究をされているお二人のお話は自国の文化や現象を再認識する機会になったようだ。
 本科の2年生には作文の授業でお礼状(感想文)を課してあります。お二人に週末にかけお送りできると思いますのでお楽しみに。今日は本当にありがとうございました。