堂々の位置

寒さが身に滲みてきた。
パン屋さんに寄る。すでに顔を覚えられている。「あちらの人はどんなものを食べるんですか」と尋ねられた。「パンを食べたり、ご飯も食べます。似たようなものですよ。あ、でもこのパンはありません。」といって「肉でんぶ(肉松)パン」を指す。
 このパンとの出会いは衝撃だった。見たところロールパン。中に何か甘辛いものが入っている。クリームじゃないし、何かな?・・・。もぐもぐ、なかなか分からない。去年、冬が過ぎて春が来た頃だった。分かった時はちょっとぎょっとした。答えは「肉でんぶ」。味が耐え難く悪いというわけではないのだけれど、甘いお寿司のでんぶの肉バージョン、そしてどことなく油っぽい。
 日本でも焼きソバパンとか、たこ焼きパンとか、その昔のポルトガル人?に首を傾げられそうなパンがあるが、でんぶパンは北京でも見かけたし、おそらく中国パン世界でメジャーなものと思われる。具のこともあるし、まぶされていることもある。堂々とした位置に輝いている。
 そんなわけで、日本の食べ物が食べたいと思うのは、和食とは限りません。
チーズとターキーハム、ピクルス+ライブレッド・・・。シュリンプとサワークリーム・・・。