漢文の宿題

先日、上海のH君が教えてくださいと言って来た。「業精於勤,荒於嬉; 行成于思,毀於隨」。携帯に入っている。外から戻って出典を調べてみると、韓愈の「進学解」の一節ということはわかった。が、ウェブ版漢文大系には唐宋八家文はなし。また、日本と中国で解釈が異なることもあるので、習ったことがあるという章さんに現代中国語訳をしてもらって中国人の理解するところに合わせることにした。章さんの訳では、業は学業と訳してきたが、学長挨拶なら「学業」でよいが、企業の挨拶文ならここは事業と訳すべきだろう。「勤勉に事業を進めるならばすばらしい成果が期待でき、働かず怠けていれば荒廃してしまう。よく思考し行えば成功し、無計画に進めるならば失敗するだろう」といったところに訳して急ぎMSNで送った。適当に過ぎたかなぁ。請指正。
 時間のあるときに探してみたら「唐宋八家文」は国会図書館デジタルアーカイブで読めることがわかったが、和とじ本のJPEG表示であちこち拡大しながら見ていく、これ大変。今後漢文の宿題はでないようにと願う(笑)。
 先の安倍総理の訪中のときに温家宝首相が宋詞の一節「青山遮不住,畢竟東流去」(辛棄疾「菩薩蛮」)を引いて今後の日中関係にたとえたということですが、(青山は人々の視界を遮るけれども、人々が統一を願う気持ちを抑えることはできない。捜狐記事からの意訳)、温首相の真意をどう訳すのが適当なのか。字面だけみると「東に流れる」がミソのような気がしますが・・・。
通訳って、なんて大変なお仕事でしょう。古典からの引用も即意答妙に訳さねばならないなんて。つくづく通訳を目指さなくてよかったと思う(ほっ)。