8Mile―公益活動の難しさ

mklasohi2006-11-01

武漢のインターナショナルウィメンズグループのメンバーの呼びかけによる「中国障害児のための募金ウォーク」に参加しようと思っていた。しかし、1人あたり1000元もの寄付を義務付けられていると聞いて、いかなる理由かと訝った。日本の感覚にしてみたら1人10万円の寄付、おそらく武漢人の平均月収、おいそれと出せる金額ではない。主催者とやりとりするなかで、デモ行進は市政府に届けねばならず員数に限りがあるため、お金を集めた上で代表者が出るような形にしたと知った。中国には確かに集合・結社に対する管理の厳しさがある。
 チャリティーウォークには日本で2〜3度出たことがあるが、友人たちとよい季節を楽しんで歩く気軽さで参加できるものだった。
 公益活動はそうした一人ひとりができることに支えられるべきだと思うし、中国人1人1元寄付すれば13億集まる、そんな運動のほうが望ましい。ことに学生を連れて歩いて彼らに体験してもらいたいと考えていた。
 ま、そんないろいろの思いはありつつ、シンプルに戻れば、日本円にして1万五千円、自分のために思わず無駄遣いしていることもある。中国の障害を持つ子どものために使うことはやぶさかではない。国慶節にはどこにも旅行をしなかったから、それを当てればいい。それに、世話人の人からもらった「We all know you quite well」という一句にもちょっと引かれた。仕事や、月一回優雅に外国人女性が集まって高いお食事をするのもどうかという思いもあって、お食事会には3回出席したのみだ。
私は、参加できない学生や知り合いから少しずつお金をかき集めて私が代表として出るなんてことはしたくなかった。1000元自分の口座からおろして封筒に入れた。
 一方で、今回はとりあえず参加しますが、こんな多額の寄付額を要求され、多くの人が参加できない活動のあり方には疑問を感じる、としっかり書いて返信した。但し、こうしたことを準備する主催者側にはそれ相当のご苦労があることは分かっている。ものはきちんと見てから言おうが原則。
 6時起床。まだ暗いうちに起き出して、タクシーで漢口へ向った。長江にかかる一橋の朝が始まる。朝は道がすいていて40分程度で集合場所のホリディインに着いた。
 今回のウォークのビックスポンサーはインタコンチネンタルホテルグループだ。その傘下のホリディインの社会貢献活動の一つであり、武漢では3回目だそうだ。主催はゼネラルマネージャーとそのインド人の奥様Iさん。
 江漢路に程近いこのホテルを基点に第二橋までの江灘への折り返しを含めて8Mile(実は13k)の道のりをドイツ人、イギリス人、オーストラリア人など総勢十数名。日本人は私と企業派遣のご主人について8月にいらしたNさん。いつに無い秋空の下で、江灘を歩くだけでも、大変心地よかった。(足の裏にマメ・・・)
 折り返し地点の第二橋近くにはホテル従業員がサンドイッチや水、お絞りをもって一足先に待機している。少人数でというアイディアには警察対策の意味もあるが、主催者側としての管理のしやすさや、こうしたリフレッシュメントの数にも関係しているからだということだった。
 到着点のホテルでは美味しい洋風ビュッフェも用意されている。人数を限っておもてなしを受けるより、手弁当でもできるだけ多くの人が参加できることのほうが意義があると思うと光る川岸を歩きながら主催者側のIさんに話した。私のメールはドイツ人総経理であるご主人にも見せたと言っていた。
 企業の事業活動の一環でもあるし、彼らの活動だ。ただ、驚くべき分担額でなければ、参加したかった人もいるのだから、その気持ちを掬いあげることを考えなければ、ハイソな活動に終わってしまう。私の言いたかったことはそれなりには理解してくれたと思う。
 上海や北京では、大きな行列もOKでも、武漢ではそれがまだ許可されない事情もある。今夜武漢TVニュースで流されたはずなので、世間への何らかの効果は0ではないだろう。
  武漢の公益活動は慢慢来(ぼちぼちいこう)というところですね。