雨が上がって、蓮池のたもとで学生の作文をのんびりチェックしていると、恋人同士、孫を背負ったおばあさん、お年寄りたちがやってくる。蓮池の周りで憩う日曜日。
子どもたちがミミズを見つけてきて糸に結び付け池に垂らした。一瞬にして、魚が足元近くに上がって、飛び跳ね、生臭い匂いを立てている。
「その魚、食べられるの」と聞くと「食べられるよ」と答えて、袋に入れて持って帰って行った。
 ミニスカートのお姉さんもやらせてと餌をつけた糸を池に下ろしていく。男の子がミミズがなくなっちゃったと嘆いている。おじさんがやってきてにこやかに魚釣りの一口上。
 枯れ始めた蓮の葉が揺れている。日曜の午後、みんな池の魚に釣られている。