中国生活第73課

 いろいろ起こるものです。昨夜は日本人の友人と約束があったので、その前にちょっと買い物するためお金を出しにヤーマオの前の中国農業銀行に寄ると、お金がでてこない。なのに残高をみるときっちりと引き落されている。アイヤー。なんてこと。銀行の営業時間は終わっていて、中には人はいない、連絡ボタンもない。7時、まだあたりは明るい。問い合わせ番号に電話してみたが、守衛さんが出て、朝一で来るよういう。1年5ヶ月、なんとか無事に中国各地でもお金を引き出してきた。この期に及んで…くう、明日また来い!気を取り直しつつ友人にお目にかかりぼやく。さてお金が戻るやら。
 朝6時半起き、銀行の開店に間に合うようにでかけた。700元というと日本円では1万円ちょっとだが、こちらではウェイトレスさんの一ヶ月の給料ぐらい。打撃を受けるといけないから章さんにも来て貰った。「中国生活第73課−銀行にて」の始まりである。
 私の取引銀行は中国銀行なのでそれが余計に話をややこしくしている。農業銀行では窓口を2つ変えて説明。係りのおじさんは銀聯という銀行間の取引などを管理する団体へ「わたしが」電話をするよう言う。私のミスではなくて、そちらの機械の問題ですよ。「本当に引き落とされていたか」と何度も聞かれ、結局通帳をもって中国銀行へ「わたしが」行き、記帳、引き落とされていることを証明することになった。納得いかないけれど章さんに諭され?中国銀行を探すことになった。8時台とはいえ、武漢の7月4日朝、すでに36,7度には達しているだろう。ぎらぎらと暑く、睡眠不足の体には蜃気楼。自転車のおじさんに聞いても、道行くお姉さんもわからない。信号の無い、車の往来の激しい道を渡る。
小さい中国銀行、整理番号の機械の調子が悪くて手間取り、相手は何の責任も感じないため、記帳をしてくれたのみ。これで往復20分。
 戻って農業銀行のおじさんに見せると確認したものの、また銀聯へ電話しろという。章さんが諦めよく電話してくれるというので、私は疲れて椅子に座り込んだ。結果は電話の会話は全て録音され、銀行間で調べが終れば返還されるということだった。それでは秋に持ち越される。
 おじさんはその間、外のATMの故障をチェックに行っているようだった。彼も、帰国する外国人が嘘をついている訳ではないことを感じている。
 ちょっと身分証明書をというので、パスポートではなくて、「外国専家証ForeignExpert Certificate」を見せた。すると突然、超法規的・奇跡?が起こった。「わかりました。お金を返しましょう」。返してくれるのは嬉しいが、相手にしてみれば調べたわけではないので、何の保障もないじゃない、大丈夫?ただ、やはり故障であり、信用もしてくれたということだろう。章さんもこれはすごい特別待遇だと言っている。そうだろうと思う。急転直下、調べるのには時間がかかると言っていた人が調べることなく返してくれるということになったのだ。
 最後まで一言のお詫びもなく、払い出しには隣の窓口にもう一度ならんでくれということだった。(暈)名前と住所を書きお金を受け取ったのは、午前10時を過ぎ、これだけのことに2時間をついやした。「どうもありがとう」と声をかけたら大変意外そうな顔でこちらを振り向いた。
 中国生活レッスン第73課。1お金はできるだけ自分の銀行の窓口で営業時間中に引き出すこと。(2つの銀行にまたがるとそれだけややこしい)2外出先で引き出さざるを得ないときは、営業時間中に引き出そう。(翌日にいけるとは限らない)3なにか起こってしまったらその展開を無理やり楽しんでみる(?!) 4何があっても命が無事ならたいしたことじゃない。ってとこかな。
 昨日はこれだけじゃない。3台目の自転車がなくなった。