足跡(あしあと)

森全体をベールで包むかのような、そんな雨が降っている。
去年の夏以来、切ってなかった髪を切ってきた。学校の市場にあるヘアーサロンで10元。夏は武漢の原宿?司門口のお店で、染めたりもしたので500元もかかった。今日は美容師のお兄さんがこのくらいにしましょうというのでそれは短すぎるというと、かっこよくしたいならこの長さですよと譲らない。じゃ、「プロ」の判断に従うかと、はい、わかりました。で、出来上がった感想は、「こけし(笑)」かな。
 帰り道、ペット屋さんに青々と芽がのびた水仙の球根がたくさん売られていて、水盤に入れておけば春節頃にきれいな花を咲かせるというので、考えていると、その傍で白い小さいうさぎも売られている。可愛いなぁと眺めていると、わたしの兎をもらって育ててくれていた周さんからメールがきた。見ると「すみません、死んでしまいました。皆、悲しんでいます」とある。
 蘭ちゃんにかえって悲しい思いをさせてしまった。私もクリスマスの晩にうさぎといた時間を思い出す。小さい命は、人の心に足跡を残していく。うさぎは周さんの家族の一員として可愛がってもらって、短いながら楽しく暮らしただろう。
 水盤がないのでもうすぐ花を開かせそうな小さなサボテンを買ってきた。机の上におくと部屋が暖かいせいか、瞬く間に開き始めた。黄色くてタンポポのような花…。