海南島のほら貝

傘を差さずとも済む程度の雨の中、Karenさんと外出した。お昼に出て、戻ってきたのは夜の9時過ぎ、なんだかすっかりキャンパスの外に解き放たれて、おいしい食事やこれはどう、あれはどうと勧めあう「生活の時間」に浸った。彼女は春節に北京で過ごすためのダウンのコートを手に入れた。
欲望とは限りが無いもので、せめてこれさえと思っていたことのボーダーをいつのまにか少しずつ、向こうへずらして、無駄に心を騒がせることがある。
昨日、宿舎のお掃除に来てくれた一番若い服務員さんが私に「海南島へ行かれますか」と聞く。いいえ、私は行きません、Karenさんが日曜から行きます。あちらでTracy先生と会うことになっていますよと伝えると、「行かれるのかと思っていました。いかれるなら、海南島のほら貝を拾ってきて欲しいと思ったんです。以前友達がきれいなほら貝を拾ってきていいなと思ったんです」と言う。彼女は17歳。高校を出て去年の秋からこの招待所で働き始めた。一生懸命でがんばり屋さんと以前に書いたことがある。「これからはスースー(彼女の幼名)と呼んでください」という。
中国のリゾート地・海南島のほら貝に夢見る頃を過ぎた私は、Karenさんに「海辺できれいなほら貝を見つけたら、彼女にお土産に持って帰ってね」と頼んだ。どんな貝なのかな…。