崇明島

mklasohi2015-11-23


土曜日、医療ボランティアの活動に参加する友人にくっついて、崇明島という長江の河口に浮かぶ島へ行ってきました。活動は島出身の30人ほどの、普段は上海の大病院で働くお医者さんたちが、無料で島の老人を診療しアドバイスをするというもの。
これまで中国で様々な活動に参加してきましたが、このような気持ちがよい活動は少ないです。その昔、科挙に合格し、錦の着物をきて故郷に帰ることを「故郷に錦を飾る(衣錦還郷)と言いましたが、それはまるで白衣を着て真心を持っての帰郷「衣白還郷」のよう。故郷を思う暖かい活動だと感じました。

終わって、金糸瓜という島の特産の和え物など農家料理を食べてきました。
友人は野鳥観察と写真撮影が好きで島の四季を撮影に来るそうで、彼女の馴染みのタクシーの運転手さんに島の東端にある葦原へ連れて行ってもらいました。
葦原は雨に打たれて静寂そのものでした。
確かに、秋空の下でなら、爽やかな美しさがあることでしょう。運転手さんが雨の日は雨の日の良さがあるよ、と言っていましたが、その通りで、雨に濡れた葦原にたって、はるか向こうに日本があると思うと、そこは葦の国(とよあしはらのなかつくに)と呼ばれた日本と地続きであり、美しい日本もこのような葦原であったのだという壮大な気持ちにもなりました。葦原には鳥たちや、小さい蟹もいるようで、蟹穴がたくさん空いていました。

人口は70〜80万人ほどで、高層ビルはなく、有機栽培の農作物やら、安全な豚肉、山羊など自然を生かした産品が有名のようです。医療ボランティア会場のとなりに教会があって、時間があったので入ってみると、そこの方の話では、土日に通ってくる信者さんは500人ぐらい全部で1000人ぐらいの信徒さんがいるそうです。一番多かった時には島には十数もの教会があったそうです。何か歴史的なものがありそうです。

交通大学の学生の中で、ご両親の出身が崇明島と話してくれた学生がいて、島は冬の寒さが厳しいので、秋には各家庭で冬に備えて黄酒を作るということでどんな島だろうと興味を持っていました。
寂れたバスターミナルの売店に4ー5L入のどぶろくかと思えるお酒が売っていて、ああ、これかなと買い求めようかと思いましたが、大きすぎでお酒が苦手な私には飲めそうもないので、小さい瓶のを買い求めました。大きなほうはまだ濾過が十分ではないということで白っぽい黄色でした。アルコール度数は8%。すこし甘くて酸味もあります。私は味見だけして、あとはお料理に使うつもりです。

島はカリフラワーの収穫の季節ということで、カリフラワーを乗せた小さいトラックと行き過ぎたり、島のいたるところにカリフラワー畑が雨に曇った車の窓から見えました。

次は春の日、お天気の良い時に湿地公園に鳥たち観察にでも再訪したいものです。