なぜか不思議と 白い花

ここ数日ブログへのアクセスができなかったのですが、何故だろう。


そういうある日の午後、大学内の用事までの時間、キャンパス内の西洋レストランで食事をし、混んでいないためゆっくり仕事でもしていたら、中国LINE「微信」に写真が届いた。

復旦大学卒の雑誌記者WLさん。この花の名前を知っていますかと。質問が、白い花の写真に添えられていた。

道端の木に咲く白い花で、バラ科の花のように見えた。夕暮れ時か少しぼんやりとした花影。

桜ですかというので違いますねと。
よくよく聞くと、
この写真はもともと年の初め頃から付き合いだしたスイス人の彼がバスケットボールか何かをしての帰り、振り返ると咲いていた花なのだそうだ。
遠距離恋愛。スイスの春を告げる花。

それは心の花。何か熱中したことを終えてふと花をみてあなたを思ったという証。

わたしは突然、白さにウエディングドレスを想像し、花の形がドレスの周囲につけられた白いレースの花で、それを着ている彼女、嬉しそうな美しい姿が浮かんできた。彼女とお似合いの大学に勤める優秀な花婿の姿。前に写真も見せてもらった。
想像するや、なぜが涙が溢れてしまった。

なんというおばかさんか…。
しかし、wLさんは、高校時代にお母さんを亡くしている。どこの国でもどこの家庭でも家族を失うことは身を切られる痛みだ。が、中国の場合は一人っ子政策で三人の仲の良い家庭が、「標準」であるのだから、一人欠けたバランスの悪さ、一心に受けてきた愛を失った人の悲しみが、一層引き立つものがある。
そして多くは、義理の母になる人や父親との距離に悩む。居場所を失ったり、それは家族の中だけでなく、大学の寮や友人との間にも起きる。

トロントの大学で化学博士の課程で学んでいるCHくんもそうだ、
何故かなんとなく、そういう人と仲良くなったりもする。彼も冬に中国に戻った時、上海に会いに来てくれ、カナダ人の彼女ができたと報告してくれた。私は彼の母親でもないのに、まるで乗り移ったように嬉しく、なにかやっとと、安堵するものがあった。丁度その日は東京のうちの犬が死んだ日で、放心したような気持ちだったのがすこし気持ちが明るくなったことを覚えている。

WLさんの花嫁姿を想像して、早送りしすぎた私は可笑しいけど、
その花の意味の美しさや、やはりなにか一瞬の安堵に、嬉し涙の午後のレストランでした。