一枚うわて

このところ武漢は一日おきのお天気と雨。緑の木々にとっては一番嬉しいご褒美。
私にとっては、蚊が出てくるかと思えば、毛布を引っ張りだす日もある、そういう4月。

アメリカタフツ大学大学院に行っているCH君が学校に戻ってきていた時の12月〜3月のことだった。
昨年日本語学科の0先生にプレゼントしてもらった足温器が壊れたので2つ目を買うことにした。冷え性の私にとって、足元さえ暖かければ何とかなる。大学の外のスーパーまでいかなくても、この程度の家電なら大学の市場にも売っていると、2軒のお店を覗いてみた。

そして一つ買って帰った。68元。スーパーで80 元だったという0先生にいただいたものより質は悪そうだが、50 元ぐらいからあるということだったし、「彩虹(虹)」というメーカー品だ。「上海彩陽」というメーカのと見くらべても、「彩虹」(成都)のほうがやや品質がよいと感じた。(名前に上海とか付いているのは面白い。)

が、1週間も使わないうちに1カ月日本へ帰国。2月初め武漢に戻り、さて、このぬいぐるみの様な白い足温器に足をいれると暖かくならない。実は使っていた数日もなんとなく電気が漏れて痺れるような感じもして、今一つ心地よくはなかった。こまったなぁ。市場の小物屋さんなんて保証書とかレシートなんて出してくれていない。箱の中をみてもない。結局1週間も使っていないものをただ捨てるしかないのかなぁ…だとしたら68元はあまりに高すぎる。「確信犯」という気がする。CH君に相談して、いちおう掛け合ってみることにした。

箱を下げて市場までいったものの、やっぱり取り換えてくれそうな気がしない。1カ月も前のお客さんを顔を覚えているとは思えないし、レシートがないのが痛い。けれどこんなに簡単に壊れるものを売っていることの責任は…と、もぞもぞ店にはいれないでいると、CH君が「これ、自分にあづけてください。僕が改めて持って行きます。」と。え、何か方法あるかしら。どうかわからないけどまかせてください。その日は、とぼどぼ帰った。


そして1-2日後、CH君が新しい箱を下げてやってきた。新品と取り換えてもらったのだそうだ。よく取り換えてくれたわね〜、なんと言ったの?と聞くと。
「脅し」とCH君。


最初、どうしても認めようとしないから、「すぐ壊れるものを売っている。あの店では買うなと大学ネットのBBS(掲示板)に書くよ、と脅したんです」と。
脅しって手はどうなのかと思ったが、脅されてハイと新品と取り換えてくれるということはやはり疾しいところがあったのだろう。
「そうですよ。自分たちでどんなものを売っているかぐらい彼らにはちゃんとわかっていますよ」と。


うーむ。教訓その1.やはり大手電機屋さんかスーパーなどで買い、保証書とレシートを貰おう。教訓その2.小さい店で買うときは一筆もらっておき、良く確かめて異常があればすぐ言いに行きましょう。


おかげで雨で気温が下がる日も足元暖かく過ごせています。