Warm words in the cold weather

mklasohi2010-04-18

春まだ浅き日のような寒さ。揺れる菜の花も凍えて見える。
昨日は武漢市友好協会の農村ツアーに参加してきた。参加者は、観光バス1台分で、うち日本人は6名。
午前中は、郊外にある「李集幸福院」とうい老人ホーム。門の「福院」の文字は欠け落ち、両側に貼ってある対聯は雨と風にさらされて赤であるべきが真っ白でところどころはがれている。
「白字に黒い字はご老人に対して不吉なのではないですか」と、引率の市の方に話したら、「そうですね、赤にするよう伝えます」と言ってくれた。私の色彩感覚もけっこう中国人化してきた。

こちらへと案内された方には、寒空の下30-40名のおじいさんたち(お婆さんは紅一点)が小さい椅子に座ってすでに並んでいた。前には箱が山積みになっている。
このツアーの寄付により購入された30台の天井付き扇風機。簡単な授与式のためにおじいさんたちは、恐らく30分以上前から教室にいる子どもたちみたいに並んで座らされているのだ。

「このたびは…、次は友好協会○○さんの…、次に李集幸福院院長の△△さんの…。」
参加者は外人だから中国語の挨拶が英語に訳されていく。某某偉い方の「暖かいお言葉を…」

Worm wordsと聞いたときworm words in the cold weather(寒空の下の暖かいお言葉)とふと思ってしまった。寒いなか、おじいさんたちに中身のない長いご挨拶を聞かせなくてもいいのになぁと。私も寒いし。
けれども、ま、武漢の40度の竈の夏、お部屋に扇風機がついてよかったですね。

右の写真は、暖かい日中、多分おじいさんが日向ぼっこするとき座る椅子。下の写真はおじいさんが食事をする食器。たまごが一個。

午後は雲霧山へのつつじ狩が、寒さのために取りやめになり、1-2年前にオープンした「農耕年華」という農業体験レジャー施設に変更になった。
台湾の資本家が投資して作ったレジャー施設ということで、温室や、奇岩展示、レストラン、宿泊施設等などがある。こんなのも中国レジャーの時代の到来の現れ。あまり花や実のない時期だったが、苺つみをさせてもらえて果物の国住人の私としては満足でした♪

市政府に帰りついたのは予定を過ぎた5時半時すぎ。民族大のO先生とウィルス研究所に研究にいらしているK先生といっしょに市政府近くに昨年できた武漢新天地に行ってみましょうと話がまとまり、イタリアンを食べた。
上海新天地と同じ香港の資本で建てられた武漢にあるまじき?おしゃれレストラン街で、大勢の人が武漢の標準より高めの食事を楽しんでいる。老人ホームの食事代とは「天と地」でしょう。
外国人ができることをするのはいいのだけれど、この国の格差の激しさと物質的狂乱社会なんとかしてくださいという気がします。会社経営の武漢人が2万元のヴィトンのバックを小学校卒業祝いに娘に送ったと新聞で読んだし、知り合いの上司の女性はオメガの時計グッチの…と買いあさられているもよう。
とはいえ、中国のお金持ちが日本の景気回復に一役買うのでしょうか。複雑な思い。

苺は食べきれないから、午後はおいしいジャムでも作ります。