無彩色の冬が来る前に

mklasohi2008-12-03

おそらく人間は遺伝子の中に「お天気の日はうれしい」と書き込まれているのだろう。
夕べは8時過ぎまで授業、そのあと帰宅、早2万字の課題図書のまとめで、タイトに過ごし、今日は午前のあいた時間を利用して、やっと資料室に行き、レファレンスのおっさん先生(?)とちょっと相変わらずのやり取りをした。ハイハイ、サービスの期待なんてしてません。だって、書架には本の並べ順の表示もないし、新しい本に至ってはラベルも貼ってなくてテキトーに配架。なのに、昼休みは3時間の閉室で、11時20分にはもう閉めだそうとなさる。
赤い中国、1950-60年代、田舎の村に作られた図書室を想像してみる。天下の名門大、またそれにひとし。[あの本の新版はありますか]と問うと、「そんなもん出たんかいな、ネットで調べて買えばいいじゃないか」と返されるあたりが現代的だが、日本で、資料室にあってもよさそうな本を探しに来た人にネットで買えばと言うかなぁ…。
 自転車にまたがり帰り道、増えに増えた車が並木の両側に止って、かつ出入りするから避けながらこいでいると、前から来た車が正面からブッブーとクラクションを鳴らす。面と向かって「どけよ!」ってわけさ。校内での警笛は禁止されているはずだが、こうした非文明クラクションにしばしば出会う。
と、愚痴ってみましたが、基本慣れっこです。ただ、これが中国2008年。武漢12月3日の姿。それをお伝えしたかっただけ。
昨日、13週の休みについてグループ発表のあと、代表者が発表した。水の蘇州を目に浮かぶように話してくれた学生もいたし、近くの池で蓮根を盗もうと泥にまみれた女子学生2人組み、別のテーマ「私の好きな花」では、イギリスの詩人キーツが死ぬ前に言った言葉を紹介してくれた学生もいた。
「わたしの傍にデージーを感じる」。
これは西行の、「願はくは花の下にて春死なん、そのきさらぎの望月のころ」とも通じますね。花を感じれば死を恐れない、そんな詩人の感覚。なんなら秋の紅葉のもとでもいいですね。
「お天気の日はうれしい」という遺伝子のささやきに今日もまた空を見上げる。

武漢は今晩から気温が下がるそうです。