木綿花(ムーミィエンホア)


さよならケンブリッジ
そっと去って行くよ。
ちょうどひっそりとやって来たように。
そっと手を振って、
西の雲に別れを告げる。


中国の現代詩人徐志摩がケンブリッジ大学を再訪して、帰国にあたって詠んだ詩「再別康橋」。深センでは卒業生たちとも会えたが、成長した彼らに次はいつ会えるだろうと思うと、急ぎ足でやってきて、数時間を過ごして武漢に戻る身はこんな詩にも似ていた。
夕日を浴びて川面に光る柳の影、それは心を揺らし…夢を追いかける、深く青い水の流れに竿をさし、満天の星の歌を聞く。でも私は歌えない、静かなことが別れの歌、夏の虫さえも私のために沈黙する。沈黙、それが今夜のケンブリッジ橋…、
と続く美しい詩。

深センも花の季節を迎えていた。初めてみた木綿花(ムーミィエンホア)。赤い南国の花。
さよなら、木綿花(ムーミィエンホア)、そっと手を振って、去っていくよ。