濃い体験

上海で乗り継ぎ、昨日の午後武漢に戻りました。今回は友人の息子さんHj君を伴ってきた。
曇り空の武漢。飛行場からタクシーに乗り込む前に、東湖の中を通る小道を走ってくださいと頼むと、トランクに荷物を積めながら、あい、あい、と運転手さん。
ところが、タクシーが走り出すと「二環路を行くと早いからそっちへ行こう」という。「長江2橋を渡って、東湖の小道を行ってください」…でもさぁ、二環路のほうがはやくつけるからさぁ。「早くなくていいので2橋を渡ってください。」
おお、キタキタと思う。時間が稼げて、結局走行距離は長い高速を最近のタクシーは使いたがる。128元ぐらいでいけるところが168元ぐらいに跳ね上がる。「急いでませんので、東湖の道を」と答える。攻防戦の始まり。
Hj君も、わ〜、いきなり来たぁ、と驚きの目を丸くしている。
またしばらく走ると「一橋行っていい?」「いいえ、2橋を行ってください」
「2橋の方にいったら道をしってんの?」「はい、知っていますよ」知らなかったら、ちょっと遠回りするのだろう。
「東湖って今日は曇っているからよく見えないよ。今日は関山口の方を走ったけど…道が混んでいて(あんまり理屈になっていない)」…「彼は初めて武漢に来たんです。私は彼に東湖を見せてあげたいんです。だから2橋を行ってください」
武漢はじめてなんか」「そうです。彼は初めてなんです」(運転手さんは武漢の印象になるんですよ)
「東湖の道をはしればいいんやね。」
そういいながらも、三環路にすこし寄り道したので10元高くなった。もし2橋、東湖を走らなかったら空港タクシー乗り場でもらうサービス苦情電話へ訴えることもできますよと言おうと考えていた、ぼんやりしていては生きていけないところに戻ってきた。
1か月半以上の日本ののほほんとした暮らしが昨日の夜は恋しかった。さて、Hj君の武漢6日間、濃い体験を今後の人生のどこかで生かしてくれるだろう(笑)。