千里、嬋娟を共にせん

今日は中秋の名月。すこし蒸したけれども、空には美しい月が昇った。
はじめてこちらの3年生と日本人留学生たちとのお月見が実現し、池の傍の芝生の上に座り月をめで、月餅を食べた。わたしも今日いくつか頂戴した豪華な月餅をもっていった。
今日恐縮したのは中国言語文学科の指導教官が夜、ご夫人とともにわざわざ月餅を持ってきてくださったこと。遠く故郷を離れて一人暮らす門下生にとのお心使いだ。日本語科のA先生も、おやつの時間にいっしょに食べましょうと持ってきてくれた。
 中国、さまざまな嫌なこともあるけれど、こうした温かな思いに触れるから生きていけるな、と思う。
 
 さて、嬋娟とはお月様のこと。千里離れていても、この美しい月を共にめでようという意味。月を見上げて懐かしい人のことを思う。
 見上げれば、真珠色の月が私一人の部屋の中に遊びに来てくれた。